bighugのニットについて

●殆どのニット製品は ペルーのチチカカ湖のほとり標高4000mのプーノという村で作っています。
 といっても編んでいるのはそこからさらに上の山に住んでいる先住民の子孫の人達。
 仕事があるときだけ村におりてきます。
 (最近では、ポルトガルやバリにもステキな職人さんを発見し、そちらでもお願いしています)

 当然 毛は自分たちで羊から刈り取り、自分たちで紡いで 自分たちで編みます。
 ビッグハグのセーターを よーく見てください、 小さな木っ端、枯れ草が混じってます。
 手で洗うだけで工業用の洗い器にかけていないので 羊についていたもの、 編んでる時についたもの(編む時はみんな外で地べたに座っているのです) が残っているのです。
 汚いって思う方もいるかもしれませんが、これが本来のニットの作り方なんです。

 だから 匂いをかいだとき、 ほんの少し不思議な匂いがします。
 これがほんとの毛のにおい、 ちゃんと油分が残ってるから匂うのです。

 大きな機械で洗ってしまったら、 においも油分もなくなって毛は死んでしまいます。
 油分の残っているニットは着れば着るほど馴染みます、そして暖かくなっていきます、、、
 なぜかわかりますか?
 油分の残っている毛は もめばもむほど毛同士が絡んでいくのです、すると最初はすかすかだった編み目の隙間が体に沿ってうまっていくのです、だからだんだん暖かいセーターになるんです。

 フィッシャーマンセーターってきいた事ありますか? そのまま 漁師用のセーターです。
 でも普通セーターで海に出たら寒いですよね? ではなぜ

 彼らのセーターは寒くないんでしょう?
 それは 油分の残っているセーターを着続けて揉まれてもまれて、 目が詰まっていって、最後にはフェルト化していたのです。
 だから彼らのセーターはセーターではなくウールの体にぴったりあったジャケットと同じなんです。            

 -以上BigHug ブログより抜粋しました。
 とってもステキなモノの考え方だと思います。
 たかがお洋服、されどお洋服。 ナニをヨシとするか、自分で選んでゆきたいなっと思うのです。

※2016年追記
  6〜7年前でしょうか、bighugさんとお取引を始めたころのニットは、書いてあるようなにおいがする商品がありました。油分のようなにおいです。
 今は製法技術が上がり、全工程手しごとの商品でも、においやゴミの混入を防げるようになったようです。
 「手しごと」というものを扱う上での当店の指針として、今もこのブログの内容をupし続けています。

●工業製品と違い、糸をウールから手で紡ぎ、化学処理をしていない製品は、撚り切れなかった糸が使い始めるときに抜けることがあります。
 (染色用の安定剤を使わない草木染めの布で、乗りすぎていた染料が最初数回の洗濯で落ちるようなイメージです)

 使っていくうちに余分な毛は落ち、毛同士がなじんでからまり、とてもあたたかくて自分の体のかたちに合った服になってゆきます。

 昔ながらの製法で天然の素材を使ったモノというのは、このように、自分となじんでくれるまでちょっと時間がかかるものなのかもしれません。
 その過程も、一緒にたのしんでいただけるような商品を目指して、日々モノたちと関わっていけたらと思っております。